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横浜のはずれの海の近くにある石野行政書士事務所のブログです。

【運転代行業】自動車運転代行業に関する告示の改正等について

平成28年3月22日、国土交通省より、自動車運転代行業に関する報道発表(「自動車運転代行業における新たな利用者保護対策の実施~より安心して利用できる自動車運転代行サービスの実現を目指して~ 」)がありました。

利用者保護の観点からの規制強化

今回の発表は、おもに利用者保護を目的とする規制強化策に関するもので、発表された対策には、違反行為が行政処分等の対象となる重要なものも含まれています。

対策の内容(項目及び実施スケジュール)は以下のとおりです(国土交通省ホームページより)。

自動車運転代行業における新たな利用者保護対策

[ 28年4月実施 ]
・料金制度に関するガイドラインの策定
・業界団体の自主的な街頭パトロール等への支援及び国土交通省への法令違反業者等の通報体制構築等の支援

[ 28年10月予定 ]
・随伴用自動車に係る損害賠償措置(任意保険の加入)の義務化
・随伴用自動車の適正な表示の徹底(自動車運転代行業を営んでいる旨表示する文字の大きさや明瞭化等を規定)

[ 28年度中予定 ]
・代行運転役務の提供の事前説明書面(料金、損害賠償措置等)の標準化 ・運転代行ドライバー用指導・教育マニュアルの作成

[ 29年4月予定 ]
・損害賠償責任共済契約失効者に対する行政処分の実施 ・報告徴収及び立入検査の強化

[ 次回JIS改定時予定 ]
・運転代行用料金メーターのJIS規格化に向けた関係機関への働きかけ

平成28年4月中に発表された措置等について

上記の対策は、平成28年4月以降順次実施することとされています。

そして、平成28年4月には、以下のとおり、①料金制度に関するガイドラインの公表②標準自動車運転代行業約款の改正告示の改正③表示方法等の変更に関する告示の改正等がなされています。

料金制度に関するガイドライン

自動車運転代行業の料金制度に関するガイドライン(平成28年4月1日)

利用者にとって、シンプルで分かりやすい料金体系の実現を図るため、料金制度に関するガイドラインを策定したものです。

標準自動車運転代行業約款の改正

標準自動車運転代行約款(最終改正:平成28年4月15日国土交通省告示第674号)

概要

「代行運転自動車」に関しては、従来から「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」により、代行運転自動車の運行により生じた損害を賠償する措置を講じなければならないとされていましたが(法12条、施行規則3条)、「随伴用自動車」に関してはこのような損害賠償措置を義務づける規定がなく、利用者や第三者の保護が課題となっていました。

他方、自動車運転代行業者は、営業の開始前に自動車運転代行業約款を定め、国土交通大臣に対し届け出ることが義務づけられており(法13条1項、3項)、自動車運転代行業者が、標準自動車運転代行業約款と同一の約款を定めた場合には、この届け出を行ったものとみなされるとされています(同条4項)。

そこで、今回標準自動車運転代行業約款を定めた告示を改正し、標準約款において損害賠償措置について明確化等することによって、より多くの運転代行業者において随伴用自動車の運行により生じた損害を賠償する措置を講ずることを促し、利用者等の保護の充実を図ることとしたものです。

その他、改正後の約款では、損害賠償措置の内容を明記するとともに、書面による説明措置が追加され、あわせて、引受拒絶理由の追加(新型インフルエンザ等感染症)が行われています。

主な改正内容

標準約款の主な改正内容は以下のとおりです。

① 随伴用自動車の自動車損害賠償責任を明確化する。
② 代行運転自動車及び随伴用自動車について、対人八千万円、対物二百万円以上を限度額としててん補することを内容とする損害賠償責任保険契約等を締結することによる損害賠償措置について明確化する。
③ 利用者に役務を提供する際、損害賠償措置の概要を書面で説明する措置を追加する。
④ 役務拒絶の理由に新型インフルエンザ等感染症を追加する。
改正告示の施行日や必要な対策等について

改正告示の施行日は、平成28年10月1日となっています。

従来、標準約款を自社の約款としている場合で、引き続き標準約款を使用する場合には、本年10月1日以降、上記の約款の改正内容にあわせた対応が必要になります。

特に、随伴用自動車に関する損害保険の付保内容については、変更後の標準約款の内容を満たすものとなっているか確認が必要です。

なお、施行日以降は、違反行為は行政処分等の対象となりますので、十分注意が必要です。

表示方法等を定める告示の変更について

自動車運転代行業者が締結すべき損害賠償責任保険契約等の補償限度額及び随伴用自動車の表示事項等の表示方法等を定める告示(最終改正:平成28年4月15日国土交通省告示673号)

概要

随伴用自動車の適正な表示の徹底を図るため、表示する文字の大きさや明瞭化等を厳格に規定するものです。

主な改正内容

主な改正内容は以下のとおりです。

随伴用自動車の車体表示について、以下のとおり明確化を図る。

① 表示個所は、自動車の両側面(窓ガラス部分を除く)であること。
② 着脱が容易なマグネット等による表示は除くこと。
③ 文字の大きさは、縦横それぞれ5センチメートル以上であること。
④ 文字は、公衆及び利用者に見やすいように表示すること。
改正告示の施行日や必要な対策等について

改正告示の施行日は、平成28年10月1日となっています。

なお、同日以降は、違反行為は行政処分等の対象となりますので、十分注意が必要です。

早めのご準備を

以上のとおり、今回の改正等は、事業運営上重要な内容が含まれていますので、内容を十分把握された上で、早期に準備を開始されることが必要です。

規制の詳細につきましては、参考サイト・リンク先をご覧下さい。  

参考サイト・リンク

(以下、すべて国土交通省ホームページより)